退職代行を使った日、私は自分を許した

私は今朝、会社を辞めた。 他の人に頼んで、退職の意思を伝えてもらった。

4年間働いた会社。 最後の最後で、自分の口から「辞める」と言えなかった。

昨夜、布団の中で考えていた。 「明日、また会社に行くのか」 その思いだけで、涙が止まらなかった。

3ヶ月前から、辞めたいと思っていた。 でも、直属の上司は忙しそうだし、 プロジェクトも大詰めだし、 「今じゃないよな」と思い続けていた。

「いつなら辞めていいんだろう」 そう考えているうちに、 どんどん辞めるタイミングを逃していた。

友達に相談すると、 「普通に辞表出せばいいじゃん」と言われた。 でも、私には「普通」ができなかった。

会社の人たちは悪い人じゃない。 でも、私は毎日が辛かった。 その矛盾に、自分でも困っていた。

ある日、ネットで見つけた。 代わりに退職の意思を伝えてくれる人がいることを。

最初は「そんなのズルくない?」と思った。 でも、もう限界だった。

電話をかけてみた。 「辞めたいけれど、直接言えません」 そう伝えると、 「大丈夫ですよ。よくあることです」と言ってくれた。

その「よくあること」という言葉に、 どれだけ救われたか。

私は特別弱い人間じゃない。 同じような人が、たくさんいるんだ。

今日の朝、代わりに電話をかけてもらった。 私は家で、ドキドキしながら待っていた。

「お疲れ様でした。手続きは完了しました」 その報告を聞いたとき、 4年間の重圧から解放された気がした。

会社からは、特に連絡はなかった。 私が思っていたほど、 大変なことにはならなかった。

夜、鏡を見た。 久しぶりに、自分の顔が穏やかに見えた。

私は自分を責めていた。 「なんで直接言えないんだろう」 「情けないな」って。

でも、今は思う。 自分を守るために、 必要な手段を選んだだけ。

それは、逃げじゃない。 自分を大切にすることだった。

この文章が、今まさに悩んでいる誰かに届いたら嬉しいです。 自分を責めてしまっている人へ。

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